2026年9月 中古車流通・輸出・オークション流動性レポート
データ確認ステータス:出典確認済み
Executive Summary
2026年9月の中古車市場をひと言でいうと、「前年9月の高い水準との比較で国内登録・輸出抹消の前年同月比は下がったものの、2か月をならすと輸出抹消は前年を上回る水準を保ち、オークションでは出品が大きく増えるなかで成約車両単価が今期初めて前年を下回った月」でした。中古車登録台数は295,436台(前年同月比95.4%)、輸出抹消登録台数は127,671台(同84.2%)です。
比較対象の2025年9月は、中古車登録が前年同月比106.2%、輸出抹消が同116.7%と高い伸びを示した月でした。輸出抹消を8〜9月の2か月合計で比べると前年比104.5%(JAPOX計算値)、1〜9月の累計では前年同期比105.7%で、9月単月の前年割れには前年のベースが大きく影響しています。
USSオートオークションは出品台数329,966台(同119.2%)、成約台数212,488台(同109.2%)で、成約率は64.4%(前年同月70.3%)でした。成約車両単価は1,275千円(同97.8%)で、2027年3月期(2026年4月〜)の月次で初めて前年同月を下回りました。ドル円月中平均は156.23円で、8月(158.81円)から2か月続けて円高方向に動きました。
出品台数と成約台数の差(JAPOX計算値)は117,478台で前年同月比約43%増となり、7月から3か月続けて前年を上回りました。JAPOXでは9月を「流通量の減速は主に比較対象の問題である一方、オークションでの選別は一段と進んだ月」と捉えています。
主要KPI(2026年9月・中古車業界指標)
| 指標 | 2026年9月 |
|---|---|
| 中古車登録台数(登録ベース) | 295,436台 |
| 中古車登録 前年同月比 | 95.4% |
| 輸出抹消登録台数 | 127,671台 |
| 輸出抹消 前年同月比 | 84.2% |
| USS出品台数 | 329,966台 |
| USS成約台数 | 212,488台 |
| USS成約率 | 64.4% |
| USS成約車両単価 | 1,275千円 |
| ドル円 月中平均 | 156.23円 |
出典:JADA(中古車登録台数・抹消登録台数)、USS(オートオークション実績 速報)、日本銀行(東京市場 ドル・円 スポット 17時時点/月中平均)。前年同月比は各資料の掲載値です。
月次インサイト
主論点:前年の山による見かけの減速と、オークションでの選別の進行
9月の数字は、前年同月比だけを見ると国内登録・輸出抹消ともに落ち込んだように見えます。しかし、比較対象の2025年9月は、輸出抹消が前月(108,768台)から151,702台へ39.5%増え、前年同月比116.7%に達した月でした。2026年は8月の水準が高かった分、9月は前月比88.4%と減っており(いずれもJAPOX計算値)、8月号で取り上げた8月の132.8%と、9月の84.2%は、同じベース要因の表と裏の関係にあると考えられます。
一方、USSの動きは前年の比較対象だけでは説明できません。出品台数は前年同月比119.2%と今期の月次で最も大きな伸びとなりましたが、成約台数は109.2%にとどまり、成約率は前年同月から5.9ポイント低下しました。曜日をそろえた比較でも、出品115.4%、成約106.3%、成約率64.4%(前年69.9%)、成約車両単価98.8%で、開催日程の影響を除いても同じ傾向が残ります。
前月・前年同月との比較
| 指標 | 2025年9月 | 2026年8月 | 2026年9月 |
|---|---|---|---|
| 中古車登録台数(台) | 309,694 | 263,114 | 295,436 |
| 輸出抹消登録台数(台) | 151,702 | 144,394 | 127,671 |
| USS出品台数(台) | 276,888 | 254,517 | 329,966 |
| USS成約台数(台) | 194,631 | 169,966 | 212,488 |
| USS成約率 | 70.3% | 66.8% | 64.4% |
| USS成約車両単価(千円) | 1,303 | 1,248 | 1,275 |
| ドル円 月中平均(円) | 147.93 | 158.81 | 156.23 |
ならした比較:単月・2か月・3か月・年初来(JAPOX計算値)
前年の月ごとの振れを除くため、輸出抹消と中古車登録を期間を広げて比較しました。2か月・3か月の合計はJADAの月次の掲載値を合算したJAPOX計算値、1〜9月累計は資料の掲載値です。
| 比較期間 | 2025年(台) | 2026年(台) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 輸出抹消 9月単月 | 151,702 | 127,671 | 84.2% |
| 輸出抹消 8〜9月合計 | 260,470 | 272,065 | 104.5% |
| 輸出抹消 7〜9月合計 | 420,011 | 434,024 | 103.3% |
| 輸出抹消 1〜9月累計 | 1,232,899 | 1,303,712 | 105.7% |
| 中古車登録 9月単月 | 309,694 | 295,436 | 95.4% |
| 中古車登録 8〜9月合計 | 573,555 | 558,550 | 97.4% |
| 中古車登録 1〜9月累計 | 2,744,363 | 2,723,534 | 99.2% |
JAPOXの見方:輸出抹消は単月では前年を大きく下回りましたが、2か月・3か月でならすと前年を3〜5%上回っており、「水準の低下」というより「前年の山との比較」による落ち込みの側面が大きいとみています。ただし、ならした伸び率(103〜105%)は年初来累計(105.7%)を下回っており、伸びが徐々に小さくなっている点は今後の確認事項です。中古車登録は、ならしても前年をやや下回っています。
直近6か月の推移(2026年4月〜9月)
| 月 | 中古車登録 前年同月比 | 輸出抹消 前年同月比 | USS成約率 | USS成約車両単価(千円) | 成約車両単価 前年同月比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年4月 | 100.1% | 106.4% | 64.2% | 1,221 | 114.6% |
| 2026年5月 | 94.9% | 98.6% | 65.8% | 1,310 | 110.6% |
| 2026年6月 | 104.0% | 103.5% | 65.5% | 1,315 | 106.9% |
| 2026年7月 | 99.4% | 101.5% | 63.8% | 1,345 | 108.1% |
| 2026年8月 | 99.7% | 132.8% | 66.8% | 1,248 | 101.9% |
| 2026年9月 | 95.4% | 84.2% | 64.4% | 1,275 | 97.8% |
JAPOXの見方:USSの成約車両単価の前年同月比は、4月の114.6%から9月の97.8%まで、半年をかけて段階的に縮小しました。単月の前年割れだけで相場が下落局面に入ったとは判断できません。ただ、出品の伸びに成約が追いつかない状態が3か月続いていることと合わせると、「出品された車両が幅広く売れる」局面から「条件の合う車両が選ばれる」局面への移行が進んでいる可能性があります。10月以降、前年同月の単価(2025年10月は1,305千円)を下回る状態が続くかどうかが確認点です。
中古車登録・国内流通
中古車登録台数は295,436台で前年同月比95.4%、前月(263,114台)比では12.3%増でした。前年も8月から9月にかけて17.4%増えており(いずれもJAPOX計算値)、9月の増加そのものは季節的な動きですが、増え方は前年より小さくなりました。前年同月比は、2026年の月次では5月(94.9%)に次ぐ低さです。
内訳は乗用車258,248台(同95.4%)、貨物車29,936台(同94.3%)でした。乗用車のうち普通乗用車は164,681台(同95.6%)、小型乗用車は93,567台(同95.1%)で、車種区分を問わず前年を4〜6%下回っています。特定の区分だけが落ち込んだのではなく、前年9月の水準(前年同月比106.2%)が高かったことが全体に表れているとみられます。1〜9月の累計は2,723,534台(前年同期比99.2%)です。
8〜9月の2か月合計では前年比97.4%(JAPOX計算値)で、輸出抹消とは異なり、ならしても前年をやや下回ります。国内の名義変更を伴う中古車の流通量は、前年並みからやや弱い推移と捉えるのが妥当です。
中古車輸出・海外需要
輸出抹消登録台数は127,671台で前年同月比84.2%、前月比88.4%(JAPOX計算値)でした。1〜9月の累計は1,303,712台で前年同期比105.7%と、年初来では前年を上回っています。
2025年は8月に輸出抹消登録が108,768台まで落ち込み、9月に151,702台へ戻りました。2026年は8月の落ち込みが小さかったため、8月の前年同月比が大きく上振れし、9月は反対に下振れしています。2か月合計では前年比104.5%、7〜9月の3か月合計では103.3%(いずれもJAPOX計算値)で、単月の振れを除くと「前年をやや上回る水準で推移しているが、伸びは年初来累計より小さい」というのが実態に近いとみられます。
仕向地別の中古車輸出台数(日本中古車輸出業協同組合〔JUMVEA〕集計)は翌々月の公表となるため、本号では公表済みの最新月である2026年8月分を参照します。業界紙の報道によると、8月の中古車輸出台数は144,447台(前年同月比107.2%)、1〜8月累計は1,137,821台(前年同期比102.7%)で、UAE向けを除くと単月で122.6%、累計で116.2%とされています。
| 主な仕向地 | 中古車輸出台数(台) | 前年同月比 |
|---|---|---|
| ロシア | 18,024 | 118.7% |
| タンザニア | 16,920 | 141.8% |
| ケニア | 7,525 | 101.9% |
| チリ | 6,987 | 179.3% |
| モンゴル | 6,117 | 188.9% |
| スリランカ | 2,763 | 48.1% |
| UAE | 2,418 | 12.8% |
対象:2026年8月(出典公表日 2026-10-01)。JUMVEA集計を業界紙(グーネット自動車流通)が報じた値で、本レポートでは二次資料として扱います。上表は主な仕向地の抜粋で、順位表ではありません。
報道では、首位のロシアと2位のタンザニアの差が1,104台まで縮まったこと、タンザニアやケニアなどアフリカ6か国の合計が全体の26.3%を占めたこと、スリランカ向けが3か月連続で前年を下回ったこと、UAE向けが再び上位20か国・地域から外れたことが伝えられています。仕向地の構成は月ごとに大きく入れ替わっており、特定の国の動きを輸出需要全体の強弱と結び付けるには、数か月分の推移を確認する必要があります。
なお、JUMVEAの集計とJADAの輸出抹消登録は、集計主体・計上時点・対象範囲が異なります。8月はJUMVEA集計が144,447台、輸出抹消登録が144,394台と近い値でしたが、両者を同じ統計として扱うことはできません。9月の輸出抹消の前年割れが仕向地別の集計にどう表れるかは、9月分の公表後に確認します。
ドル円月中平均は156.23円で、前年同月(147.93円)より5.6%円安の水準でしたが、8月(158.81円)からは1.6%円高方向に動きました(いずれもJAPOX計算値)。7月の162.45円から2か月続けて円高方向です。為替は輸出採算を左右する要因の一つですが、車種、年式、仕向地の規制や海上運賃、現地の需要によって影響は異なり、円安であれば輸出が増えるとは限りません。
オークション流動性
USSの9月の実績(速報)は、出品台数329,966台(前年同月比119.2%)、成約台数212,488台(同109.2%)、成約率64.4%(前年同月70.3%)、成約車両単価1,275千円(同97.8%)でした。成約率を成約台数÷出品台数で再計算すると64.40%となり、公表値と一致します。
前月比では、出品台数が29.6%増、成約台数が25.0%増、成約車両単価が2.2%上昇しました(いずれもJAPOX計算値)。8月はお盆期間を含み開催回数が少ない月のため、前月比の増加には開催日程の要素が大きく含まれます。2027年3月期の4〜9月累計は、出品台数1,887,810台(前年比109.5%)、成約台数1,226,652台(同108.4%)、成約率65.0%(前年65.6%)、成約車両単価1,286千円(同106.5%)です。
出品台数と成約台数の差は117,478台で、前年同月(82,257台)の約1.43倍となりました(JAPOX計算値)。前年同月比で7月は約23%増、8月は約19%増で、3か月続けて前年を上回っています。出品台数には再出品の車両も含まれるため、この差がそのまま売れ残りの台数を表すわけではありませんが、成約に至らない出品が増えている方向は読み取れます。
開催回数・曜日要因
USSの資料によると、9月の開催回数は76回(前年同月74回)です。名古屋会場と北陸会場の合同開催移行により両会場を合わせて1開催として集計しており、前年と同一条件で比較した場合の当月の開催回数は80回です。USSの月次コメントでは、札幌会場、神戸会場などの6会場で前年同月比1開催増加したとされ、出品119.2%・成約109.2%はこの開催増加を含んだ結果です。
曜日をそろえた比較(前年同期間:2025年9月2日〜10月1日)では、出品台数は前年比115.4%、成約台数は106.3%、成約率は64.4%(前年69.9%)、成約車両単価は98.8%です。曜日の並びを調整しても、成約率は前年を5.5ポイント下回り、単価も前年を下回っています。
参考として、同一条件の開催回数で割った開催1回当たりの台数を前年と比べると、出品台数は約110%、成約台数は約101%でした(JAPOX計算値。当月は80回、前年同月は74回で割った値の比較)。会場ごとに規模が異なるため目安にとどまりますが、開催増加の影響を除いても出品は1割ほど増えている一方、成約はほぼ前年並みで、出品の増加分の多くが成約に結び付いていない構図がうかがえます。
平均車齢・残価傾向
平均車齢は月次指標ではなく、年次で更新される基準指標として扱います。本号では、自動車検査登録情報協会(AIRIA)の令和7年3月末現在の値(軽自動車を除く)を使用します。乗用車の平均車齢は9.44年、平均使用年数は13.35年、貨物車はそれぞれ12.13年、16.29年です。令和8年3月末基準の新しい版は、本レポート作成時点(2026年10月15日)で公表を確認できませんでした。例年10月中旬に公表されるため、公表後の号から反映します。
残価の観点では、9月の成約車両単価の前年割れは平均値の変化であり、成約した車両の車種・年式・走行距離などの構成の変化も含みます。出品が大きく増えた月の平均単価は構成の影響を受けやすく、単価の低下がそのまま個々の車両の価値の低下を意味するわけではありません。保有期間の長期化が続くなかでは、年式だけでなく走行距離・整備状況・修復歴など車両ごとの属性で残価を評価する重要性が高まっています。
EV / HV 評価要素
9月の公表統計では、中古EV・HVの価格や流通量を月次で把握できる一次データは確認できませんでした。評価の枠組みについては、次の政策・調査動向が引き続き参考になります。
経済産業省は2026年3月の資料「蓄電池産業戦略の推進に向けて」で、日本版バッテリーパスポートの情報項目として電池IDやSoH等を挙げ、中古電気自動車の残価向上のための保証事業にも言及しています。また、Geotabの2026年1月の調査では、EV電池の平均劣化率は年2.3%で、急速充電の利用が多い車両では最大で年3.0%程度とされています。
EV/HVの評価では、年式・走行距離に加えて、次の項目を評価項目として検討する必要があります。
- SOH(State of Health/電池健全度)
- 保証の残存期間・条件
- 診断証明と診断日
- 電池識別情報
- 充電履歴(急速充電の比率等)の取得可否
車両価値データAPI需要
API需要は単純な検索ボリュームではなく、法人業務への組み込み需要として捉えます。
9月のように出品が増えても成約が伸びず、平均単価が前年を下回る局面では、平均値の変化が「相場そのものの変化」なのか「成約した車両の構成の変化」なのかを切り分ける必要が高まります。そのためには、車両1台ごとの属性と市場データを結び付けて比較できる仕組みが必要です。価値判断の基本構造は、「VIN/車台番号 → 車両属性の特定 → グレード・装備の特定 → 市況・残価の評価 → 輸出適性の評価 → 法人の意思決定」です。
| APIカテゴリ | 最低限必要な項目 | 法人ユースケース |
|---|---|---|
| 車両同定 | 車台番号/VIN、型式、年式、初度登録、原動機型式 | 入力作業の削減、誤査定防止 |
| グレード解決 | グレード、主要装備、駆動方式、燃料区分 | 価格差判定、比較表生成 |
| 使用状況 | 走行距離、登録履歴、抹消種別、使用地履歴 | 残価補正、輸出可否判定 |
| 市況評価 | 参考相場、オークションレンジ、成約率帯 | 買取価格、在庫評価、金融稟議 |
| 輸出評価 | 仕向地適性、右左ハンドル、需要強弱、書類要件 | 輸出選別、仕入れ判断 |
| EV/HV評価 | SOH、保証残、診断日、電池識別 | EV残価、保証商品化 |
| 監査性 | 取得日時、出典、更新区分、信頼度スコア | 内部統制、監査ログ、説明可能性 |
法人事業者への示唆
9月の市況から、法人事業者の実務には次のような示唆が考えられます。
- 査定・買取:USSの成約車両単価が今期初めて前年同月を下回り、成約率も前年を5.9ポイント下回りました。前年並みの売却価格を前提にした買取価格の設定は見直しの余地があります。出品しても成約しないリスクを、グレード・走行距離・状態まで踏まえて車両単位で見込むことが重要です。
- 在庫評価(中古車販売店):出品台数と成約台数の差が3か月続けて前年を上回っています。年初以降の単価上昇局面で仕入れた在庫は、評価額と値付けを車種別に点検することが有効です。
- 輸出適性判定:9月の輸出抹消の前年割れは主に前年のベースによるものとみられますが、仕向地の構成は月ごとに大きく入れ替わっています。上位仕向地の規制や需要、UAE向けの回復の遅れなどを踏まえ、仕向地別の適性を車両単位で判定することが求められます。
- 金融審査・残価管理:成約車両単価の前年同月比は半年かけて縮小し、9月に前年を下回りました。残価設定や担保評価では、直近の高い単価水準を前提にしない運用が考えられます。
- EV電池評価:中古EVの月次の一次データは限られており、SOHや保証条件など電池状態の情報を個別に取得できる体制づくりが、評価の精度を左右します。
市場全体の統計は方向感をつかむのに役立ちますが、同じ車種・年式でも、グレード、走行距離、状態、輸出適性、EV/HVの電池状態によって価値は異なります。そのため法人業務では、「車台番号/VIN+グレード+走行距離+市場データ+輸出適性+残価情報」を標準化して扱える仕組みが重要になります。JAPOXの瞬カー®は、車台番号またはVINを起点に車両情報・グレード・参考査定価格(参考値)などを取得・推定し、査定・買取・下取り・残価評価・輸出データ整備を支援する法人向けの車両価値データプラットフォームです。システム連携の概要は瞬カー® APIで紹介しています。
方法論・定義
- 中古車登録台数:日本自動車販売協会連合会(JADA)による、新規登録台数、所有権の移転登録台数、使用者名の変更登録台数の3業務を合算したナンバーベースの指標です。軽自動車は含みません。小売販売台数そのものではなく、本レポートでは国内中古車の流通量を見るための指標として扱います。
- 輸出抹消登録台数:JADAが公表する抹消登録のうち、輸出に係る抹消登録の台数です。JUMVEA集計や財務省の輸出統計とは定義・計上時点・対象範囲が異なります。前年同月比は前年の水準(ベース)の影響を受けるため、本号では2か月・3か月の合計や累計との比較も併せて示しています。
- USSオートオークション:USSが公表する月次の速報値です。成約率は成約台数÷出品台数で、出品台数には再出品の車両も含まれます。開催回数や曜日の並びなど運営・日程の要因と、市場の需給を区別して解釈します。
- 為替:日本銀行の「東京市場 ドル・円 スポット 17時時点/月中平均」を使用します。為替は輸出採算を左右する要因の一つですが、円安であれば輸出が増えるとは限りません。
- 平均車齢・平均使用年数:AIRIAが毎年3月末を基準に公表する年次指標で、軽自動車を除きます。月次では変動させず、新しい公表があった号から更新します。
- 中古車輸出台数(仕向地別):JUMVEAの集計を業界紙が報じた値で、二次資料として扱います。翌々月の公表となるため、本号では対象月の1か月前(2026年8月)の値を参照し、対象月の輸出動向は輸出抹消登録台数で代替しています。集計値は後日改訂される場合があります。
- 計算値の扱い:前月比、2か月・3か月の合計とその前年比、出品台数と成約台数の差、開催1回当たりの台数など、JAPOXが計算した値は本文中で計算値であることを明記しています。
- 対象期間と公開日:本レポートの対象年月は2026年9月です。公開日・最終更新日は対象年月とは別に管理しています。
3つの主要ポイント
- 前年比の落ち込みは前年9月の高水準が主因:中古車登録は前年同月比95.4%、輸出抹消は84.2%。前年9月はそれぞれ106.2%・116.7%の高い伸びで、輸出抹消は8〜9月の2か月合計で前年比104.5%(JAPOX計算値)、1〜9月累計で105.7%と前年を上回っています。
- USS成約車両単価が今期初めて前年割れ:成約車両単価は1,275千円で前年同月比97.8%(曜日調整後98.8%)。成約率は64.4%で前年同月の70.3%を5.9ポイント下回りました。
- 成約されない車両の増加が3か月連続:出品は119.2%に対し成約は109.2%。出品と成約の差(JAPOX計算値)は117,478台で前年同月比約43%増。開催回数の増加を考慮すると、開催1回当たりの成約はほぼ前年並みでした。
よくある質問
このレポートの数値は確定値ですか?
輸出抹消登録が前年同月比84.2%に下がったのは、輸出需要が弱まったということですか?
USSの成約車両単価が前年を下回ったのは、中古車相場が下がったということですか?
USSの出品台数が前年同月比119.2%と大きく伸びたのはなぜですか?
中古車輸出の仕向地別データが8月分なのはなぜですか?
出典・参考
- 日本自動車販売協会連合会(JADA)中古車統計データ(中古車登録台数・抹消登録台数 月報の掲載ページ)
- JADA 中古車登録台数・抹消登録台数(2026年1月〜9月版PDF、2026年9月度を参照)
- JADA 統計データ発表日(2026年9月分の中古車発表日:2026年10月13日)
- USS オートオークション実績(速報)月次データ(2026年9月度)
- USS IRライブラリ 月次データ一覧
- 日本銀行 主要時系列統計データ表 為替相場(東京市場 ドル・円 スポット 17時時点/月中平均)
- グーネット自動車流通 2026年08月の中古車輸出統計データ(JUMVEA集計・2026年10月1日掲載)
- 自動車検査登録情報協会(AIRIA)平均車齢(令和7年3月末現在)
- 自動車検査登録情報協会(AIRIA)平均使用年数(令和7年3月末現在)
- 経済産業省「蓄電池産業戦略の推進に向けて」(2026年3月5日・資料3)
- Geotab EVバッテリー劣化調査(2026年1月13日公表・英語)
免責事項
本レポートの数値・指標は、記載の一次情報、公的統計、業界団体資料等に基づく参考情報であり、最終的な価格、相場、市場動向を保証するものではありません。中古車登録台数は登録ベースの指標であり、小売販売台数ではありません。参考査定価格、推定走行距離、残価等を掲載する場合、それらは参考値です。為替・輸出需要の影響は車種、年式、仕向地、物流条件等によって異なります。
市場変化を車両価値データで確認する
国内流通、輸出需要、オークション流動性、平均車齢の変化は、同じ年式・車種でも車両ごとの価値差を広げます。法人取引では、車台番号/VIN、グレード、走行距離、参考相場、輸出適性、残価などをデータで確認することが重要になります。
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