VIN(車両識別番号)とは?意味・読み方と17桁の構成、車台番号との違い

VIN(車両識別番号)とは、国際規格ISO 3779で構成が定められた17桁の英数字で、自動車1台ごとに割り当てられる識別番号です。日本の国産車は車検証に国内書式の車台番号が記載され、17桁VINを持たない車が多くあります。
この記事では、VINの意味と読み方、17桁の構成(WMI・VDS・VIS)、北米で使われるチェックデジット、日本の車台番号との違い、輸出の場面での扱い、VINの確認場所を解説します。
VINとは? 意味と読み方
VINは Vehicle Identification Number の略で、日本語では「車両識別番号」と訳されます。読み方は「ブイ・アイ・エヌ」または「ヴィン」です。国際規格ISO 3779が内容と構成を定めています(ISO 3779)。
VINは、メーカー、車種の系列、製造に関する情報を、世界共通の枠組みで表すための番号です。米国・カナダ・欧州などでは、登録、保険、リコール、車両履歴の照会でVINが中心的に使われます。
VINの構成:WMI・VDS・VIS
| 位置 | 名称 | 内容 |
|---|---|---|
| 1〜3桁目 | WMI(World Manufacturer Identifier) | 製造者の識別。1桁目は地域・国を表す。国際的に割り当てられる(ISO 3780) |
| 4〜9桁目 | VDS(Vehicle Descriptor Section) | 車種・ボディ・エンジンなど車両の属性。メーカーが定める |
| 10〜17桁目 | VIS(Vehicle Indicator Section) | 個々の車両を識別する部分。年式・工場・連番など |
例えば1桁目が「J」なら日本で製造された車を示します。VINには、数字の1・0と見間違えやすいアルファベットの I・O・Q は使われません。
北米のチェックデジット(9桁目)
米国の規則では、9桁目をチェックデジットとし、他の16文字から決まった計算で求めた数字またはXを入れます。転記ミスや偽造の検出に使われます。また10桁目はモデルイヤー(年式)を表します(49 CFR Part 565)。この運用は北米向けのルールで、ISO 3779自体はチェックデジットを必須としていません。欧州など他地域の車では、9桁目が計算に合わないこともあります。
日本の国産車はなぜ17桁VINではないのか
日本では、道路運送車両法に基づく車台番号が登録の基準です(道路運送車両法)。国内向けの国産車の車台番号は「MXAA54-4000001」のような「車台型式-連番」の書式で、ISO 3779の17桁VINとは構成が違います(例示の番号は架空です)。
国内では車検証・登録制度が車台番号で完結しているため、国内向け車両に17桁VINを付ける必要がありませんでした。一方、海外向けに生産された国産メーカー車や、日本で登録された輸入車は17桁VINを持ち、輸入車では車検証の車台番号欄にVINがそのまま記載されるのが一般的です。
| 項目 | VIN | 日本の車台番号(国産車) |
|---|---|---|
| 規格 | ISO 3779 | 道路運送車両法に基づく打刻 |
| 桁数 | 17桁 | 車種により異なる |
| 書式 | WMI・VDS・VIS | 車台型式-連番 |
| 主な用途 | 海外の登録・履歴照会・輸出入 | 国内の登録・名義変更・査定 |
車台番号の詳細は車台番号とはをご覧ください。
モデルイヤーと製造年月の違い
北米仕様のVINの10桁目が示すモデルイヤーは、メーカーが設定する販売上の年式です。実際の製造年とは一致しないことがあります。例えば、ある年の秋に製造された車が、翌年のモデルイヤーとして販売されることがあります。
米国の25年ルールのように、製造の月と年が基準になる制度では、モデルイヤーだけで判断せず、製造年月の根拠を別に確認する必要があります。製造日が確認できない場合の代替資料についてNHTSAがFAQで説明しています(NHTSA FAQ)。
| 項目 | モデルイヤー | 製造年月 |
|---|---|---|
| 決める主体 | メーカー | 実際の製造時期 |
| VINでの表示 | 北米仕様は10桁目 | VINには直接表れない |
| 主な確認場所 | VIN | 認証ラベルなど |
VINは車検証のどこに書いてある?
日本の車検証には「VIN」という欄はありません。輸入車など17桁VINを持つ車は、券面の「車台番号」欄にVINが記載されます(国土交通省 電子車検証特設サイト)。国産の国内向け車では、同じ欄に国内書式の車台番号が記載されます。各欄の見方は電子車検証の見方で解説しています。
VINの確認場所(車体側)
- フロントガラス下のVINプレート:米国の規則では、乗用車などは車外から運転席側のフロントガラス越しに読める位置への表示が求められています(49 CFR Part 565)。
- ドア開口部のラベル:Bピラー付近の認証ラベルに記載される例があります。
- エンジンルーム・フロアの打刻:車体に直接打刻されている例があります。
メーカー別の位置の目安は車台番号の場所にまとめています。
輸出の現場でVINはどう扱われる?
日本の中古車を輸出するとき、輸入国の登録や通関では車両の識別番号の提示を求められます。17桁VINのない国産車は、車台番号をそのまま識別番号として扱うのが一般的です。米国では、製造から25年以上経った車は連邦安全基準への適合を問わず輸入できる扱いがあり、製造年月の確認が重要になります(NHTSA)。
- 米国向け:車齢判定は製造の月と年が基準です。米国25年ルールをご覧ください。
- 履歴照会:米国の車両履歴サービスは17桁VIN前提が中心です。米国の車両履歴サービスで解説しています。
例:輸出向けに仕入れた1台の製造年月を初度登録年月で代用し、実際は基準を1か月満たしていなかった場合、現地で輸入できず、返送費や保管費が数十万円単位で発生することもあります。製造年月の扱いは製造年月日と初度登録年月の違いをご覧ください。
VINを読み解く手順(例)
17桁VINを受け取ったら、次の順で確認すると転記ミスや取り違えに気づきやすくなります。
- 文字数を数える:17文字でなければ、転記ミスか、国内書式の車台番号の可能性があります。
- 使われない文字がないか確認する:I・O・Qが含まれていれば、1や0の誤記です。
- 1〜3桁目(WMI)でメーカーを確認する:書類上の車名と一致するかを見ます。
- 北米仕様なら9桁目を検算する:チェックデジットが合わなければ、どこかの文字が誤っています。
- 10桁目でモデルイヤーを確認する:北米仕様では年式の手がかりになります。モデルイヤーは暦年や製造年月と一致しないことがあります。
例:輸入車1台の仕入れで、VINの1文字を誤って登録すると、海外の履歴照会で別の車の情報が返り、事故歴のない車を事故車と誤認するなどの判断ミスにつながります。仕入れ時に文字数と使用文字を確認するだけで防げる誤りです。
VINと車台番号をシステムで扱うときの注意
- 国産車の車台番号と17桁VINを同じ項目で保存する場合、桁数チェックを17桁に固定しない
- ハイフンの有無を統一する(国内書式はハイフンを含むことが多い)
- 大文字・半角にそろえて保存する
- VINのチェックデジット検算は北米仕様の車に限って使う
日本の中古車輸出とVINの関係
国産車を海外に輸出するとき、現地の登録システムが17桁VINを前提にしている国では、国内書式の車台番号をどう登録するかが実務上の課題になります。輸出前に、仕向け国の登録や通関で車台番号をどの書式で記載するかを、現地の輸入者や通関業者に確認しておくと手戻りを防げます。
また、輸出抹消の手続きでは、日本の車検証に記載された車台番号が基準になります。書類間で車台番号の表記(ハイフン、全角・半角)がずれないよう、仕入れ時の台帳から一貫して同じ表記を使います。
VINからわかること・わからないこと
VINからは、メーカー、車種の系列、年式、製造工場などの手がかりが得られます。ただし、VDSの読み方はメーカーごとに異なり、走行距離、修復歴、実車の状態、後付けパーツはVINだけではわかりません。
VIN・車台番号から車両情報を照会する
瞬カー®は、車台番号またはVINを入力すると、登録情報、車両諸元、推定走行距離(参考値)、AI参考査定価格を返します。番号の書式は車台番号・VINチェックで確かめられます。瞬カーの照会結果は実車15分のデモでご覧いただけます。API連携の比較はVIN APIと車台番号チェックの比較をご覧ください。
よくある質問
VINと車台番号は同じですか?
日本の車にVINはありますか?
VINの10桁目は何を表しますか?
無料・月1〜2回
瞬カー|Vehicle Data Professional Insights
中古車査定、VIN・車台番号、車両相場、買取・在庫管理、海外車両データなど、車両ビジネスの実務に役立つ情報をお届けします。
- ご登録後に確認メールをお送りします。メール内のボタンを押していただいた時点で配信を開始します。
- 配信はいつでも、メール下部のリンクから停止できます。
登録情報は、国内のデータセンターで運用されるセキュアなクラウドサービスで管理しています。取得した情報は個人情報保護方針に沿って取り扱います。