2026年5月 中古車流通・輸出・オークション流動性レポート
データ確認ステータス:出典確認済み
Executive Summary
2026年5月の中古車市場は、「国内の中古車登録が前年同月比94.9%と2026年に入って最も弱い伸びとなる一方、輸出は仕向地の組み替えが一段と進んだ月」でした。輸出抹消登録台数は129,777台(同98.6%)です。
USSオートオークションは出品台数281,669台(同97.0%)、成約台数185,404台(同99.0%)と前年をやや下回りましたが、成約率は65.8%(前年同月64.5%)、成約車両単価は1,310千円(同110.6%)でした。ドル円月中平均は158.34円です。
業界紙の報道によると、JUMVEA集計の輸出台数は前年同月比4.5%減で、UAE向けは283台と前年の約1%にとどまる一方、UAE向けを除くと11.8%増でした。
主要KPI(2026年5月・中古車業界指標)
| 指標 | 2026年5月 |
|---|---|
| 中古車登録台数(登録ベース) | 273,495台 |
| 中古車登録 前年同月比 | 94.9% |
| 輸出抹消登録台数 | 129,777台 |
| 輸出抹消 前年同月比 | 98.6% |
| USS出品台数 | 281,669台 |
| USS成約台数 | 185,404台 |
| USS成約率 | 65.8% |
| USS成約車両単価 | 1,310千円 |
| ドル円 月中平均 | 158.34円 |
出典:JADA(中古車登録台数・抹消登録台数)、USS(オートオークション実績 速報)、日本銀行(東京市場 ドル・円 スポット 17時時点/月中平均)。前年同月比は各資料の掲載値です。
月次インサイト
主論点:国内登録の鈍化と輸出の仕向地シフト
5月の輸出は、UAE向けを除けば前年を上回っており、「輸出全体の需要減少」ではなく「特定の仕向地の物流混乱」が全体の数字を押し下げている構図が、業界紙の集計からも読み取れます。
前月・前年同月との比較
| 指標 | 2025年5月 | 2026年4月 | 2026年5月 |
|---|---|---|---|
| 中古車登録台数(台) | 288,282 | 300,690 | 273,495 |
| 輸出抹消登録台数(台) | 131,604 | 120,616 | 129,777 |
| USS出品台数(台) | 290,251 | 348,991 | 281,669 |
| USS成約台数(台) | 187,194 | 224,073 | 185,404 |
| USS成約率 | 64.5% | 64.2% | 65.8% |
| USS成約車両単価(千円) | 1,184 | 1,221 | 1,310 |
| ドル円 月中平均(円) | 144.77 | 159.28 | 158.34 |
直近6か月の推移(2025年12月〜2026年5月)
| 月 | 中古車登録 前年同月比 | 輸出抹消 前年同月比 | USS成約率 | USS成約車両単価(千円) | ドル円(円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年12月 | 102.9% | 105.3% | 66.0% | 1,252 | 155.85 |
| 2026年1月 | 98.9% | 97.2% | 69.6% | 1,346 | 156.79 |
| 2026年2月 | 98.7% | 144.2% | 69.6% | 1,380 | 155.23 |
| 2026年3月 | 101.2% | 106.7% | 67.9% | 1,220 | 158.64 |
| 2026年4月 | 100.1% | 106.4% | 64.2% | 1,221 | 159.28 |
| 2026年5月 | 94.9% | 98.6% | 65.8% | 1,310 | 158.34 |
国内では中古車登録が前年同月比94.9%と弱く、USSの出品・成約も前年をやや下回りましたが、USS成約車両単価は1,310千円(前年同月比110.6%)と前月(1,221千円)から7.3%上昇しました(前月比はJAPOX計算値)。
JAPOXの見方:台数が弱い中で単価が上がったことは、取引される車両の構成が高価格帯に寄った可能性を含みます。5月はゴールデンウィークで開催日程が変わる月でもあり、単月の台数の弱さを需要の減速と断定するには慎重さが必要です。
中古車登録・国内流通
2026年5月の中古車登録台数は273,495台で、前年同月比94.9%、前月比では9.0%減でした(前月比はJAPOX計算値)。内訳は乗用車235,710台(同94.4%)、貨物車30,310台(同97.9%)で、特に小型乗用車(87,456台、同93.4%)の減少が目立ちます。
1〜5月の累計は1,526,844台(前年同期比99.0%)でした。5月の前年割れは2026年に入って最も大きな幅ですが、営業日数などの暦要因の影響は公表資料からは確認できないため、単月の結果だけで流通量の構造的な減少とは判断しません。
中古車輸出・海外需要
輸出抹消登録台数は129,777台で、前年同月比98.6%、前月比では7.6%増でした(前月比はJAPOX計算値)。1〜5月の累計は721,592台(前年同期比107.7%)です。
業界紙の報道によると、JUMVEA集計の5月の中古車輸出台数は137,750台(前年同月比4.5%減)でした。仕向地別ではロシア向けが18,257台(同13.2%増)、タンザニア向けが14,495台(同70.5%増)で上位となり、スリランカ向けは7,335台(同39.6%増)でした。UAE向けは283台(前年同月21,333台)で上位20か国から外れ、UAE向けを除いた輸出台数は前年同月比11.8%増と報じられています。
JAPOXの見方:仕向地が変わると、求められる車種・年式・排気量・装備の条件も変わります。UAE経由で流通していた車両と、ロシア・アフリカ・南アジア向けに適した車両は必ずしも一致しないため、輸出の出口の変化は国内の車種別相場に時間差を伴って波及し得ます。
オークション流動性
USSの2026年5月の実績は、出品台数281,669台(前年同月比97.0%)、成約台数185,404台(同99.0%)、成約率65.8%(前年同月64.5%)、成約車両単価1,310千円(同110.6%)でした。成約率を再計算すると65.82%となり、公表値と一致します。
開催回数・曜日要因
USSの資料によると、5月は東京会場の開催が前年同月比で1開催減少しました。また、5月15日より北陸会場が名古屋会場と接続し合同開催に移行したことに伴い、開催数は前年同月比で3開催減少しています。前年と同一条件とするため北陸会場を加算した開催数で比較すると、当月63開催、前年同月64開催です。
ゴールデンウィーク期間中の休催日の違いにより東京会場が1開催減少していますが、曜日調整をしても各会場の開催回数に変動が生じないため、5月は曜日調整した比較が公表されていません。出品・成約の前年割れには開催回数の減少が含まれている点に留意が必要です。
平均車齢・残価傾向
平均車齢は月次指標ではなく、年次で更新される基準指標として扱います。本レポートの最終レビュー時点(2026年9月15日)で確認できる最新の公表値は、自動車検査登録情報協会(AIRIA)の令和7年3月末現在の数値です。
- 乗用車:平均車齢9.44年(前年比0.10年延伸)、平均使用年数13.35年(同0.03年延伸)
- 貨物車:平均車齢12.13年(前年比0.15年延伸)、平均使用年数16.29年(同0.21年延伸)
国内の登録台数が弱い月でも、車が長く使われる構造そのものは変わっていません。車齢の長い車両では、グレードや整備状況による価値の差が大きく、平均単価の動きだけでは個別車両の価値を判断できません。
EV / HV 評価要素
5月の公表統計では、中古EV・HVの価格や流通量を月次で把握できる一次データは確認できませんでした。
経済産業省は2026年3月の資料で、日本版バッテリーパスポートの情報項目として電池IDやSoH等を挙げ、中古EVの残価向上のための保証事業にも言及しています。また、Geotabの2026年1月の調査では、EV電池の平均劣化率は年2.3%とされています。
EV/HVの評価では、年式・走行距離に加えて、次の項目を評価項目として検討する必要があります。
- SOH(State of Health/電池健全度)
- 保証の残存期間・条件
- 診断証明と診断日
- 電池識別情報
- 充電履歴(急速充電の比率等)の取得可否
車両価値データAPI需要
API需要は単純な検索ボリュームではなく、法人業務への組み込み需要として捉えます。
5月のように台数が弱く単価が上がる局面では、平均値の変化が車両構成によるものか相場そのものの変化かを見分ける必要があり、車両単位のデータで比較できるかが判断の精度を左右します。価値判断の基本構造は、「VIN/車台番号 → 車両属性の特定 → グレード・装備の特定 → 市況・残価の評価 → 輸出適性の評価 → 法人の意思決定」です。
| APIカテゴリ | 最低限必要な項目 | 法人ユースケース |
|---|---|---|
| 車両同定 | 車台番号/VIN、型式、年式、初度登録、原動機型式 | 入力作業の削減、誤査定防止 |
| グレード解決 | グレード、主要装備、駆動方式、燃料区分 | 価格差判定、比較表生成 |
| 使用状況 | 走行距離、登録履歴、抹消種別、使用地履歴 | 残価補正、輸出可否判定 |
| 市況評価 | 参考相場、オークションレンジ、成約率帯 | 買取価格、在庫評価、金融稟議 |
| 輸出評価 | 仕向地適性、右左ハンドル、需要強弱、書類要件 | 輸出選別、仕入れ判断 |
| EV/HV評価 | SOH、保証残、診断日、電池識別 | EV残価、保証商品化 |
| 監査性 | 取得日時、出典、更新区分、信頼度スコア | 内部統制、監査ログ、説明可能性 |
法人事業者への示唆
5月の市況から、法人事業者の実務には次のような示唆が考えられます。
- 査定・買取:国内の登録台数が弱い月は仕入れ競争が緩む一方、単価は上昇しており、高価格帯の車両では相場の確認をより丁寧に行う必要があります。
- 在庫評価(中古車販売店):小型乗用車の登録が特に弱かったことを踏まえ、車格別の回転状況を確認し、在庫構成を見直すことが有効です。
- 輸出適性判定(輸出事業者):UAE向けを除けば輸出は前年を上回っており、ロシア、アフリカ、スリランカなど仕向地ごとの条件に合う車両を見極められるかが仕入れの成否を分けます。
- 金融審査・残価管理(金融機関・リース会社):輸出の出口が特定の仕向地に偏っていた車種は、仕向地の変化による残価への影響を個別に点検することが重要です。
- EV電池評価(リース・保険・販売):電池の状態を示すデータを残しておくことで、将来の保証や残価評価の仕組みに対応しやすくなります。
同一車種・同一年式でも、グレード、走行距離、修復歴、装備、車両状態、輸出適性、EV/HVの電池状態によって価値は異なります。そのため法人業務では、「車台番号/VIN+グレード+走行距離+市場データ+輸出適性+残価情報」を標準化して扱える仕組みが重要になります。JAPOXの瞬カー®は、車台番号またはVINを起点に車両情報・グレード・参考査定価格(参考値)などを取得・推定し、査定・買取・下取り・残価評価・輸出データ整備を支援する法人向けの車両価値データプラットフォームです。システム連携の概要は瞬カー® APIで紹介しています。
方法論・定義
- 中古車登録台数:日本自動車販売協会連合会(JADA)による、新規登録台数、所有権の移転登録台数、使用者名の変更登録台数の3業務を合算したナンバーベースの指標です。軽自動車は含みません。小売販売台数そのものではなく、本レポートでは国内中古車の流通量を見るための指標として扱います。
- 輸出抹消登録台数:JADAが公表する抹消登録のうち、輸出に係る抹消登録の台数です。JUMVEA集計や財務省の輸出統計とは定義・計上時点・対象範囲が異なります。前年同月比は前年の水準(ベース)の影響を受けるため、累計や前月との比較も併せて確認します。
- USSオートオークション:USSが公表する月次の速報値です。成約率は成約台数÷出品台数で、出品台数には再出品の車両も含まれます。開催回数や曜日の並びなど運営・日程の要因と、市場の需給を区別して解釈します。
- 為替:日本銀行の「東京市場 ドル・円 スポット 17時時点/月中平均」を使用します。為替は輸出採算を左右する要因の一つですが、車種、年式、仕向地の規制、海上運賃、現地の需要によって影響は異なり、円安であれば輸出が増えるとは限りません。
- 平均車齢・平均使用年数:AIRIAが毎年3月末を基準に公表する年次指標で、軽自動車を除きます。月次では変動させず、新しい公表があった時点で更新します。
- 中古車輸出台数(仕向地別):日本中古車輸出業協同組合(JUMVEA)の集計を業界紙が報じた値で、本レポートでは二次資料として扱います。集計値は後日改訂される場合があります。
- 計算値の扱い:前月比、出品台数と成約台数の差などJAPOXが計算した値は、本文中で計算値であることを明記しています。
- 対象期間と公開日:対象年月(2026年5月)と、初版公開日・最終更新日・最終レビュー日は別に管理します。本レポートは2026年9月15日に一次資料との照合を行い、内容を全面的に改訂しました。
3つの主要ポイント
- 国内登録は2026年で最も弱い伸び:中古車登録は前年同月比94.9%で、小型乗用車は93.4%でした。1〜5月累計は99.0%です。
- 輸出は仕向地が組み替え:JUMVEA集計の輸出台数は前年同月比4.5%減だが、UAE向けを除くと11.8%増と報じられています。輸出抹消は98.6%でした。
- 台数が弱い中で単価は上昇:USS成約車両単価は1,310千円(前年同月比110.6%)、成約率は65.8%(前年同月64.5%)で、開催回数の減少も考慮が必要です。
よくある質問
このレポートの数値は確定値ですか?
中古車登録台数は販売台数ですか?
UAE向けの輸出が大幅に減ったのに、輸出全体の減少が小さいのはなぜですか?
5月のUSSで出品・成約が前年を下回ったのは需要が弱いからですか?
瞬カー®とどう関係しますか?
出典・参考
- 日本自動車販売協会連合会(JADA)中古車統計データ(中古車登録台数・抹消登録台数 月報の掲載ページ)
- JADA 中古車登録台数・抹消登録台数(2026年1月〜8月版PDF)
- USS オートオークション実績(速報)月次データ(2026年5月度)
- USS IRライブラリ 過去の月次データ(2026年3月期)
- 日本銀行 主要時系列統計データ表 為替相場(東京市場 ドル・円 スポット 17時時点/月中平均)
- 自動車検査登録情報協会(AIRIA)平均車齢(令和7年3月末現在)
- 自動車検査登録情報協会(AIRIA)平均使用年数(令和7年3月末現在)
- 経済産業省「蓄電池産業戦略の推進に向けて」(2026年3月5日・資料3)
- Geotab EVバッテリー劣化調査(2026年1月13日公表・英語)
- グーネット自動車流通 中古車輸出台数(JUMVEA集計・2026年5月分の報道)
免責事項
本レポートの数値・指標は、記載の一次情報、公的統計、業界団体資料等に基づく参考情報であり、最終的な価格、相場、市場動向を保証するものではありません。中古車登録台数は登録ベースの指標であり、小売販売台数ではありません。参考査定価格、推定走行距離、残価等を掲載する場合、それらは参考値です。為替・輸出需要の影響は車種、年式、仕向地、物流条件等によって異なります。
市場変化を車両価値データで確認する
国内流通、輸出需要、オークション流動性、平均車齢の変化は、同じ年式・車種でも車両ごとの価値差を広げます。法人取引では、車台番号/VIN、グレード、走行距離、参考相場、輸出適性、残価などをデータで確認することが重要になります。
無料・月1〜2回
瞬カー|Vehicle Data Professional Insights
中古車査定、VIN・車台番号、車両相場、買取・在庫管理、海外車両データなど、車両ビジネスの実務に役立つ情報をお届けします。
- ご登録後に確認メールをお送りします。メール内のボタンを押していただいた時点で配信を開始します。
- 配信はいつでも、メール下部のリンクから停止できます。
登録フォームは Zoho Campaigns(ゾーホージャパン株式会社)が提供しています。取得した情報は個人情報保護方針に沿って取り扱います。