2026年4月 中古車流通・輸出・オークション流動性レポート
データ確認ステータス:出典確認済み
Executive Summary
2026年4月の中古車市場は、「新年度入りで成約率が季節的に低下する中、成約台数と単価は前年を大きく上回った月」でした。中古車登録台数は300,690台(前年同月比100.1%)、輸出抹消登録台数は120,616台(同106.4%)です。
USSオートオークションは出品台数348,991台(同106.4%)、成約台数224,073台(同111.8%)、成約率64.2%(前年同月61.1%)、成約車両単価1,221千円(同114.6%)でした。ドル円月中平均は159.28円で、前年同月(144.27円)より10.4%円安の水準です(JAPOX計算値)。
成約率は3月の67.9%から低下しましたが、前年も同じ時期に低下しており、前年同月比では3.1ポイント上回っています。
主要KPI(2026年4月・中古車業界指標)
| 指標 | 2026年4月 |
|---|---|
| 中古車登録台数(登録ベース) | 300,690台 |
| 中古車登録 前年同月比 | 100.1% |
| 輸出抹消登録台数 | 120,616台 |
| 輸出抹消 前年同月比 | 106.4% |
| USS出品台数 | 348,991台 |
| USS成約台数 | 224,073台 |
| USS成約率 | 64.2% |
| USS成約車両単価 | 1,221千円 |
| ドル円 月中平均 | 159.28円 |
出典:JADA(中古車登録台数・抹消登録台数)、USS(オートオークション実績 速報)、日本銀行(東京市場 ドル・円 スポット 17時時点/月中平均)。前年同月比は各資料の掲載値です。
月次インサイト
主論点:新年度の出品増と成約率の季節的低下
4月のUSS成約率は64.2%で、3月(67.9%)から3.7ポイント低下しました。前年も2025年3月の65.8%から4月の61.1%へ4.7ポイント低下しており、年度替わりに成約率が下がる動きは2年続けて確認できます。
前月・前年同月との比較
| 指標 | 2025年4月 | 2026年3月 | 2026年4月 |
|---|---|---|---|
| 中古車登録台数(台) | 300,460 | 414,457 | 300,690 |
| 輸出抹消登録台数(台) | 113,362 | 160,037 | 120,616 |
| USS出品台数(台) | 327,914 | 349,260 | 348,991 |
| USS成約台数(台) | 200,476 | 237,206 | 224,073 |
| USS成約率 | 61.1% | 67.9% | 64.2% |
| USS成約車両単価(千円) | 1,065 | 1,220 | 1,221 |
| ドル円 月中平均(円) | 144.27 | 158.64 | 159.28 |
直近6か月の推移(2025年11月〜2026年4月)
| 月 | 中古車登録 前年同月比 | 輸出抹消 前年同月比 | USS成約率 | USS成約車両単価(千円) | ドル円(円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年11月 | 91.3% | 104.1% | 68.1% | 1,297 | 155.08 |
| 2025年12月 | 102.9% | 105.3% | 66.0% | 1,252 | 155.85 |
| 2026年1月 | 98.9% | 97.2% | 69.6% | 1,346 | 156.79 |
| 2026年2月 | 98.7% | 144.2% | 69.6% | 1,380 | 155.23 |
| 2026年3月 | 101.2% | 106.7% | 67.9% | 1,220 | 158.64 |
| 2026年4月 | 100.1% | 106.4% | 64.2% | 1,221 | 159.28 |
成約車両単価1,221千円は前年同月比114.6%と、2025年8月以降の月次で最も高い伸び率でした。ただし前年4月の単価は1,065千円と低い水準であり、伸び率にはベース要因も含まれます。
JAPOXの見方:前月比では成約率が下がっていても、前年同月との比較では成約率・単価ともに改善しています。季節性の強い指標は、前月比ではなく前年同月比と前年の同時期の動きを基準に評価することが重要です。
中古車登録・国内流通
2026年4月の中古車登録台数は300,690台で、前年同月比100.1%、前月比では27.4%減でした(前月比はJAPOX計算値)。前月比の減少は年度末の3月からの反動であり、前年同月並みの水準は維持されています。
1〜4月の累計は1,253,349台で、国内流通量は前年並みの範囲で推移しています。
中古車輸出・海外需要
輸出抹消登録台数は120,616台で、前年同月比106.4%、前月比では24.6%減でした(前月比はJAPOX計算値)。1〜4月の累計は591,815台で、前年同期(538,261台、JAPOX計算値)の約110%です。
業界紙の報道によると、JUMVEA集計の4月の中古車輸出台数は145,358台(前年同月比1.3%減)でした。仕向地別ではロシア向けが19,966台(同23.6%増)、タンザニア向けが15,885台(同96.6%増)、南アフリカ向けが8,187台で上位となり、UAE向けは大幅に落ち込んだと報じられています。
ドル円は前年同月より10%程度円安の水準にありますが、中東向けの物流混乱が続く中で、輸出台数は前年を下回りました。為替は輸出採算を左右する要因の一つですが、仕向地の物流・規制条件によって影響は大きく異なります。
JAPOXの見方:3月に始まった仕向地の構成変化は4月も続いています。UAE向け以外の仕向地が伸びていることは、輸出全体の需要が失われたわけではなく、出口が組み替えられている局面であることを示唆しています。
オークション流動性
USSの2026年4月の実績は、出品台数348,991台(前年同月比106.4%)、成約台数224,073台(同111.8%)、成約率64.2%(前年同月61.1%)、成約車両単価1,221千円(同114.6%)でした。成約率を再計算すると64.21%となり、公表値と一致します。4月は2027年3月期の最初の月にあたります。
開催回数・曜日要因
USSの資料によると、4月の開催回数は79回(前年同月80回)で、東京会場で1開催増加した一方、横浜会場、R名古屋会場の2会場で1開催減少しました。
曜日をそろえた比較(前年同期間:2025年4月2日〜5月1日、ゴールデンウィークの休催日の違いにより東京会場が前年より1開催増加した比較)では、出品台数は前年比109.1%、成約台数は114.7%、成約率は64.2%(前年61.1%)、成約車両単価は113.6%です。日程をそろえても成約の伸びが出品を上回っています。
平均車齢・残価傾向
平均車齢は月次指標ではなく、年次で更新される基準指標として扱います。本レポートの最終レビュー時点(2026年9月15日)で確認できる最新の公表値は、自動車検査登録情報協会(AIRIA)の令和7年3月末現在の数値です。
- 乗用車:平均車齢9.44年(前年比0.10年延伸)、平均使用年数13.35年(同0.03年延伸)
- 貨物車:平均車齢12.13年(前年比0.15年延伸)、平均使用年数16.29年(同0.21年延伸)
新年度に残価や在庫評価の前提を見直す際も、車齢の長い車両では走行距離・整備履歴・修復歴による価値の差が大きくなりやすいため、年式だけで評価しないことが重要です。
EV / HV 評価要素
4月の公表統計では、中古EV・HVの価格や流通量を月次で把握できる一次データは確認できませんでした。評価の枠組みについては、次の政策・調査動向が参考になります。
経済産業省の資料「蓄電池産業戦略の推進に向けて」(2026年3月5日)では、日本版バッテリーパスポートの構築支援と、蓄電池のリユース・リサイクルに向けた実証の方針が示され、パスポートの情報項目として電池IDやSoH等のパック状況情報が挙げられています。実証の例として「中古電気自動車の残価向上のための保証事業」も記載されています。
EV/HVの評価では、年式・走行距離に加えて、次の項目を評価項目として検討する必要があります。
- SOH(State of Health/電池健全度)
- 保証の残存期間・条件
- 診断証明と診断日
- 電池識別情報
- 充電履歴(急速充電の比率等)の取得可否
車両価値データAPI需要
API需要は単純な検索ボリュームではなく、法人業務への組み込み需要として捉えます。
新年度に仕入れ・在庫の方針を見直す法人にとって、前年同月比と季節性を踏まえた相場判断を車両単位で行えるかどうかが、年間の収益計画の精度に影響します。価値判断の基本構造は、「VIN/車台番号 → 車両属性の特定 → グレード・装備の特定 → 市況・残価の評価 → 輸出適性の評価 → 法人の意思決定」です。
| APIカテゴリ | 最低限必要な項目 | 法人ユースケース |
|---|---|---|
| 車両同定 | 車台番号/VIN、型式、年式、初度登録、原動機型式 | 入力作業の削減、誤査定防止 |
| グレード解決 | グレード、主要装備、駆動方式、燃料区分 | 価格差判定、比較表生成 |
| 使用状況 | 走行距離、登録履歴、抹消種別、使用地履歴 | 残価補正、輸出可否判定 |
| 市況評価 | 参考相場、オークションレンジ、成約率帯 | 買取価格、在庫評価、金融稟議 |
| 輸出評価 | 仕向地適性、右左ハンドル、需要強弱、書類要件 | 輸出選別、仕入れ判断 |
| EV/HV評価 | SOH、保証残、診断日、電池識別 | EV残価、保証商品化 |
| 監査性 | 取得日時、出典、更新区分、信頼度スコア | 内部統制、監査ログ、説明可能性 |
法人事業者への示唆
4月の市況から、法人事業者の実務には次のような示唆が考えられます。
- 査定・買取:成約率が季節的に下がる時期は、出品しても成約しないリスクを見込んだ価格設定が必要です。一方で成約台数・単価は前年を上回っており、過度に慎重になる必要はありません。
- 在庫評価(中古車販売店):年度末に仕入れた在庫の評価替えでは、3月の平均単価ではなく、4月以降の車種別の成約状況を基準にすることが有効です。
- 輸出適性判定(輸出事業者):ロシア、タンザニア、南アフリカなど仕向地の分散が進んでおり、車両ごとに複数の出口候補を比較できる情報整備が求められます。
- 金融審査・残価管理(金融機関・リース会社):新年度の残価設定では、前年同月比の高い伸び率にベース要因が含まれることを踏まえ、複数月・複数年の推移で確認することが重要です。
- EV電池評価(リース・保険・販売):電池情報の標準化に関する政策動向を踏まえ、リース満了車の電池状態を記録しておくことが将来の残価評価に役立ちます。
同一車種・同一年式でも、グレード、走行距離、修復歴、装備、車両状態、輸出適性、EV/HVの電池状態によって価値は異なります。そのため法人業務では、「車台番号/VIN+グレード+走行距離+市場データ+輸出適性+残価情報」を標準化して扱える仕組みが重要になります。JAPOXの瞬カー®は、車台番号またはVINを起点に車両情報・グレード・参考査定価格(参考値)などを取得・推定し、査定・買取・下取り・残価評価・輸出データ整備を支援する法人向けの車両価値データプラットフォームです。システム連携の概要は瞬カー® APIで紹介しています。
方法論・定義
- 中古車登録台数:日本自動車販売協会連合会(JADA)による、新規登録台数、所有権の移転登録台数、使用者名の変更登録台数の3業務を合算したナンバーベースの指標です。軽自動車は含みません。小売販売台数そのものではなく、本レポートでは国内中古車の流通量を見るための指標として扱います。
- 輸出抹消登録台数:JADAが公表する抹消登録のうち、輸出に係る抹消登録の台数です。JUMVEA集計や財務省の輸出統計とは定義・計上時点・対象範囲が異なります。前年同月比は前年の水準(ベース)の影響を受けるため、累計や前月との比較も併せて確認します。
- USSオートオークション:USSが公表する月次の速報値です。成約率は成約台数÷出品台数で、出品台数には再出品の車両も含まれます。開催回数や曜日の並びなど運営・日程の要因と、市場の需給を区別して解釈します。
- 為替:日本銀行の「東京市場 ドル・円 スポット 17時時点/月中平均」を使用します。為替は輸出採算を左右する要因の一つですが、車種、年式、仕向地の規制、海上運賃、現地の需要によって影響は異なり、円安であれば輸出が増えるとは限りません。
- 平均車齢・平均使用年数:AIRIAが毎年3月末を基準に公表する年次指標で、軽自動車を除きます。月次では変動させず、新しい公表があった時点で更新します。
- 中古車輸出台数(仕向地別):日本中古車輸出業協同組合(JUMVEA)の集計を業界紙が報じた値で、本レポートでは二次資料として扱います。集計値は後日改訂される場合があります。
- 計算値の扱い:前月比、出品台数と成約台数の差などJAPOXが計算した値は、本文中で計算値であることを明記しています。
- 対象期間と公開日:対象年月(2026年4月)と、初版公開日・最終更新日・最終レビュー日は別に管理します。本レポートは2026年9月15日に一次資料との照合を行い、内容を全面的に改訂しました。
3つの主要ポイント
- 国内流通は前年並み:中古車登録は前年同月比100.1%、輸出抹消は106.4%でした。
- 成約率低下は季節要因:USS成約率は64.2%と3月から低下したが、前年も同時期に低下しており、前年同月比では3.1ポイント上回りました。成約車両単価は1,221千円(114.6%)です。
- 仕向地の組み替えが継続:JUMVEA集計の輸出台数は前年同月比1.3%減と報じられ、UAE向けが減る一方でロシア・タンザニア向けなどが伸びています。
よくある質問
このレポートの数値は確定値ですか?
中古車登録台数は販売台数ですか?
4月に成約率が下がったのは、市場が悪化したからですか?
円安なのに輸出台数が前年を下回ったのはなぜですか?
瞬カー®とどう関係しますか?
出典・参考
- 日本自動車販売協会連合会(JADA)中古車統計データ(中古車登録台数・抹消登録台数 月報の掲載ページ)
- JADA 中古車登録台数・抹消登録台数(2026年1月〜8月版PDF)
- USS オートオークション実績(速報)月次データ(2026年4月度)
- USS IRライブラリ 過去の月次データ(2026年3月期)
- 日本銀行 主要時系列統計データ表 為替相場(東京市場 ドル・円 スポット 17時時点/月中平均)
- 自動車検査登録情報協会(AIRIA)平均車齢(令和7年3月末現在)
- 自動車検査登録情報協会(AIRIA)平均使用年数(令和7年3月末現在)
- 経済産業省「蓄電池産業戦略の推進に向けて」(2026年3月5日・資料3)
- Geotab EVバッテリー劣化調査(2026年1月13日公表・英語)
- グーネット自動車流通 中古車輸出台数(JUMVEA集計・2026年4月分の報道)
免責事項
本レポートの数値・指標は、記載の一次情報、公的統計、業界団体資料等に基づく参考情報であり、最終的な価格、相場、市場動向を保証するものではありません。中古車登録台数は登録ベースの指標であり、小売販売台数ではありません。参考査定価格、推定走行距離、残価等を掲載する場合、それらは参考値です。為替・輸出需要の影響は車種、年式、仕向地、物流条件等によって異なります。
市場変化を車両価値データで確認する
国内流通、輸出需要、オークション流動性、平均車齢の変化は、同じ年式・車種でも車両ごとの価値差を広げます。法人取引では、車台番号/VIN、グレード、走行距離、参考相場、輸出適性、残価などをデータで確認することが重要になります。
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