2026年1月 中古車流通・輸出・オークション流動性レポート
データ確認ステータス:出典確認済み
Executive Summary
2026年1月の中古車市場は、「国内流通と輸出抹消は前年並み、オークションでは成約率と単価が前年を大きく上回った月」でした。中古車登録台数は250,277台(前年同月比98.9%)、輸出抹消登録台数は176,618台(同97.2%)です。
USSオートオークションは出品台数272,007台(同106.3%)に対し成約台数189,320台(同114.4%)と成約が出品を上回って伸び、成約率は69.6%(前年同月64.7%)、成約車両単価は1,346千円(同107.7%)となりました。ドル円月中平均は156.79円で、前年同月(156.42円)とほぼ同水準です。
為替が前年並みの中で成約率・単価が上昇しており、JAPOXでは1月を「為替以外の要因で買いが強かった年初」と捉えています。
主要KPI(2026年1月・中古車業界指標)
| 指標 | 2026年1月 |
|---|---|
| 中古車登録台数(登録ベース) | 250,277台 |
| 中古車登録 前年同月比 | 98.9% |
| 輸出抹消登録台数 | 176,618台 |
| 輸出抹消 前年同月比 | 97.2% |
| USS出品台数 | 272,007台 |
| USS成約台数 | 189,320台 |
| USS成約率 | 69.6% |
| USS成約車両単価 | 1,346千円 |
| ドル円 月中平均 | 156.79円 |
出典:JADA(中古車登録台数・抹消登録台数)、USS(オートオークション実績 速報)、日本銀行(東京市場 ドル・円 スポット 17時時点/月中平均)。前年同月比は各資料の掲載値です。
月次インサイト
主論点:年初の高成約率と単価上昇
1月は、登録・輸出抹消という流通量の指標がいずれも前年をやや下回った一方、オークションでは成約台数が前年同月比114.4%と出品台数(106.3%)を上回って伸びました。成約率は前年同月から4.9ポイント高い69.6%です。
前月・前年同月との比較
| 指標 | 2025年1月 | 2025年12月 | 2026年1月 |
|---|---|---|---|
| 中古車登録台数(台) | 253,121 | 297,924 | 250,277 |
| 輸出抹消登録台数(台) | 181,686 | 129,413 | 176,618 |
| USS出品台数(台) | 255,828 | 256,699 | 272,007 |
| USS成約台数(台) | 165,560 | 169,328 | 189,320 |
| USS成約率 | 64.7% | 66.0% | 69.6% |
| USS成約車両単価(千円) | 1,250 | 1,252 | 1,346 |
| ドル円 月中平均(円) | 156.42 | 155.85 | 156.79 |
直近6か月の推移(2025年8月〜2026年1月)
| 月 | 中古車登録 前年同月比 | 輸出抹消 前年同月比 | USS成約率 | USS成約車両単価(千円) | ドル円(円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年8月 | 99.1% | 99.5% | 69.6% | 1,224 | 147.64 |
| 2025年9月 | 106.2% | 116.7% | 70.3% | 1,303 | 147.93 |
| 2025年10月 | 99.3% | 111.1% | 68.8% | 1,305 | 151.32 |
| 2025年11月 | 91.3% | 104.1% | 68.1% | 1,297 | 155.08 |
| 2025年12月 | 102.9% | 105.3% | 66.0% | 1,252 | 155.85 |
| 2026年1月 | 98.9% | 97.2% | 69.6% | 1,346 | 156.79 |
出品台数から成約台数を差し引いた台数(JAPOX計算値)は82,687台で、前年同月の90,268台から約8%減少しました。この差には再出品される車両も含まれるため在庫台数そのものではありませんが、成約に至らない車両が前年より少なかったことを示しています。
JAPOXの見方:ドル円月中平均は前年同月比でほぼ横ばい(+0.2%、JAPOX計算値)であり、1月の成約率・単価の上昇を為替だけで説明することはできません。業界紙は輸出業者の仕入れ意欲を背景に挙げていますが、単価は成約車両の構成にも左右されるため、個々の車両相場が一律に上がったことを意味するものではありません。
中古車登録・国内流通
2026年1月の中古車登録台数は250,277台で、前年同月比98.9%でした。内訳は乗用車219,962台(同98.9%)、貨物車24,743台(同98.0%)です。前月(2025年12月、297,924台)比では16.0%減ですが、1月は年末年始で登録手続きの営業日が少ない月であり、前月比の減少は季節的な動きとして読むのが妥当です。
2025年9月以降の前年同月比は106.2%→99.3%→91.3%→102.9%→98.9%と推移しており、単月の振れはあるものの、国内流通量はおおむね前年並みの範囲にあります。
中古車輸出・海外需要
輸出抹消登録台数は176,618台で、前年同月比97.2%、前月(129,413台)比では36.5%増でした(前月比はJAPOX計算値)。
一方、業界紙の報道によると、日本中古車輸出業協同組合(JUMVEA)集計の1月の中古車輸出台数は115,744台(前年同月比22.5%増)でした。仕向地別ではUAE向けが17,755台(同3.7%増)で首位を維持し、ロシア向けは11,194台(同45.2%増)と報じられています。
輸出抹消登録は「国内の登録を抹消した時点」、輸出統計は「船積み・通関の時点」で計上されるなど、両統計は定義・計上時点・対象範囲が異なります。1月は輸出抹消が前年を下回り、輸出台数は前年を上回るという逆方向の動きとなっており、年末年始をまたぐ手続き・船積みの時期のずれが影響している可能性があります。
JAPOXの見方:輸出需要の存在は、車種・年式・仕向地によって国内残価を支える要因の一つになり得ます。ただし、その効果は仕向地の規制や車両条件によって車両ごとに異なります。
オークション流動性
USSの2026年1月の実績は、出品台数272,007台(前年同月比106.3%)、成約台数189,320台(同114.4%)、成約率69.6%(前年同月64.7%)、成約車両単価1,346千円(同107.7%)でした。成約率を成約台数÷出品台数で再計算すると69.60%となり、公表値と一致します。
開催回数・曜日要因
USSの資料によると、1月の開催回数は70回(前年同月66回)で、HAA神戸会場、九州会場などの6会場で1開催増加した一方、横浜会場、R名古屋会場の2会場で1開催減少しました。
曜日をそろえた比較(前年同期間:2025年1月2日〜2月1日)では、出品台数は前年比100.2%、成約台数は107.6%、成約率は69.6%(前年64.8%)、成約車両単価は108.8%です。開催回数の増加を除くと出品はほぼ前年並みですが、成約は前年を上回っており、需要の強さは運営要因を除いても確認できます。
平均車齢・残価傾向
平均車齢は月次指標ではなく、年次で更新される基準指標として扱います。本レポートの最終レビュー時点(2026年9月15日)で確認できる最新の公表値は、自動車検査登録情報協会(AIRIA)の令和7年3月末現在の数値です。
- 乗用車:平均車齢9.44年(前年比0.10年延伸)、平均使用年数13.35年(同0.03年延伸)
- 貨物車:平均車齢12.13年(前年比0.15年延伸)、平均使用年数16.29年(同0.21年延伸)
月次の流通・輸出・オークションは、この「車が長く使われる」土台の上で読む必要があります。車齢の長期化は、残価レンジの幅、修理・補修需要、輸出適性、車両状態評価の重要性を高める基礎条件です。
EV / HV 評価要素
テレマティクス企業Geotabが2026年1月13日に公表した調査では、22,700台超・21のメーカー/モデルのEVを分析し、電池の平均劣化率は年2.3%でした。100kW超の急速充電の利用が多い車両では最大で年3.0%程度、低出力充電が中心の車両では年1.5%程度とされています。同調査は前回調査の年1.8%から劣化率が上昇したとしており、充電方法による差が評価上の論点になっています。
1月時点で、中古EV・HVの価格や流通量を月次で把握できる一次統計は確認できませんでした。
EV/HVの評価では、年式・走行距離に加えて、次の項目を評価項目として検討する必要があります。
- SOH(State of Health/電池健全度)
- 保証の残存期間・条件
- 診断証明と診断日
- 電池識別情報
- 充電履歴(急速充電の比率等)の取得可否
車両価値データAPI需要
API需要は単純な検索ボリュームではなく、法人業務への組み込み需要として捉えます。
1月のように成約率が高く単価も上がる局面では、仕入れ競争の中で「いくらまでなら買えるか」を短時間で判断する必要があり、車両1台ごとの属性を正確に特定できるかが仕入れの成否に直結します。価値判断の基本構造は、「VIN/車台番号 → 車両属性の特定 → グレード・装備の特定 → 市況・残価の評価 → 輸出適性の評価 → 法人の意思決定」です。
| APIカテゴリ | 最低限必要な項目 | 法人ユースケース |
|---|---|---|
| 車両同定 | 車台番号/VIN、型式、年式、初度登録、原動機型式 | 入力作業の削減、誤査定防止 |
| グレード解決 | グレード、主要装備、駆動方式、燃料区分 | 価格差判定、比較表生成 |
| 使用状況 | 走行距離、登録履歴、抹消種別、使用地履歴 | 残価補正、輸出可否判定 |
| 市況評価 | 参考相場、オークションレンジ、成約率帯 | 買取価格、在庫評価、金融稟議 |
| 輸出評価 | 仕向地適性、右左ハンドル、需要強弱、書類要件 | 輸出選別、仕入れ判断 |
| EV/HV評価 | SOH、保証残、診断日、電池識別 | EV残価、保証商品化 |
| 監査性 | 取得日時、出典、更新区分、信頼度スコア | 内部統制、監査ログ、説明可能性 |
法人事業者への示唆
1月の市況から、法人事業者の実務には次のような示唆が考えられます。
- 査定・買取:成約率・単価が高い局面では仕入れ価格も上がりやすく、グレードや装備の見落としがそのまま利益の差になります。車種・年式だけでなく、グレード・状態まで踏まえた査定の精度が重要です。
- 在庫評価(中古車販売店):オークションで成約しやすい地合いは、在庫を早めに入れ替える判断材料になります。車両単位で回転期間と相場を照合することが有効です。
- 輸出適性判定(輸出事業者):UAE・ロシア向けの需要が報じられる一方、仕向地ごとに輸入条件は異なります。仕入れ前に車両ごとの輸出可否を判定できる体制が求められます。
- 金融審査・残価管理(金融機関・リース会社):単価上昇は成約車両の構成変化も含むため、担保評価や残価設定では平均値ではなく車両単位の評価が必要です。
- EV電池評価(リース・保険・販売):電池の劣化率や充電方法の影響に関する調査が公表されており、SOH等の電池情報を取得・記録できる体制が今後の差別化要因になり得ます。
同一車種・同一年式でも、グレード、走行距離、修復歴、装備、車両状態、輸出適性、EV/HVの電池状態によって価値は異なります。そのため法人業務では、「車台番号/VIN+グレード+走行距離+市場データ+輸出適性+残価情報」を標準化して扱える仕組みが重要になります。JAPOXの瞬カー®は、車台番号またはVINを起点に車両情報・グレード・参考査定価格(参考値)などを取得・推定し、査定・買取・下取り・残価評価・輸出データ整備を支援する法人向けの車両価値データプラットフォームです。システム連携の概要は瞬カー® APIで紹介しています。
方法論・定義
- 中古車登録台数:日本自動車販売協会連合会(JADA)による、新規登録台数、所有権の移転登録台数、使用者名の変更登録台数の3業務を合算したナンバーベースの指標です。軽自動車は含みません。小売販売台数そのものではなく、本レポートでは国内中古車の流通量を見るための指標として扱います。
- 輸出抹消登録台数:JADAが公表する抹消登録のうち、輸出に係る抹消登録の台数です。JUMVEA集計や財務省の輸出統計とは定義・計上時点・対象範囲が異なります。前年同月比は前年の水準(ベース)の影響を受けるため、累計や前月との比較も併せて確認します。
- USSオートオークション:USSが公表する月次の速報値です。成約率は成約台数÷出品台数で、出品台数には再出品の車両も含まれます。開催回数や曜日の並びなど運営・日程の要因と、市場の需給を区別して解釈します。
- 為替:日本銀行の「東京市場 ドル・円 スポット 17時時点/月中平均」を使用します。為替は輸出採算を左右する要因の一つですが、車種、年式、仕向地の規制、海上運賃、現地の需要によって影響は異なり、円安であれば輸出が増えるとは限りません。
- 平均車齢・平均使用年数:AIRIAが毎年3月末を基準に公表する年次指標で、軽自動車を除きます。月次では変動させず、新しい公表があった時点で更新します。
- 中古車輸出台数(仕向地別):日本中古車輸出業協同組合(JUMVEA)の集計を業界紙が報じた値で、本レポートでは二次資料として扱います。集計値は後日改訂される場合があります。
- 計算値の扱い:前月比、出品台数と成約台数の差などJAPOXが計算した値は、本文中で計算値であることを明記しています。
- 対象期間と公開日:対象年月(2026年1月)と、初版公開日・最終更新日・最終レビュー日は別に管理します。本レポートは2026年9月15日に一次資料との照合を行い、内容を全面的に改訂しました。
3つの主要ポイント
- 国内流通・輸出抹消は前年並み:中古車登録は前年同月比98.9%、輸出抹消は97.2%で、流通量に大きな変化は確認されていません。
- オークションは成約が先行:USS成約は前年同月比114.4%と出品(106.3%)を上回り、成約率は69.6%(前年同月64.7%)、成約車両単価は1,346千円(107.7%)でした。
- 為替以外の要因を車両単位で見る:ドル円は前年同月並みで、成約率・単価の上昇は為替だけでは説明できず、車両ごとの属性・需要の見極めが重要です。
よくある質問
このレポートの数値は確定値ですか?
中古車登録台数は販売台数ですか?
1月は輸出抹消が減少し、輸出台数は増加と報じられています。どちらが正しいですか?
成約率69.6%は高い水準ですか?
瞬カー®とどう関係しますか?
出典・参考
- 日本自動車販売協会連合会(JADA)中古車統計データ(中古車登録台数・抹消登録台数 月報の掲載ページ)
- JADA 中古車登録台数・抹消登録台数(2026年1月〜8月版PDF)
- USS オートオークション実績(速報)月次データ(2026年1月度)
- USS IRライブラリ 過去の月次データ(2026年3月期)
- 日本銀行 主要時系列統計データ表 為替相場(東京市場 ドル・円 スポット 17時時点/月中平均)
- 自動車検査登録情報協会(AIRIA)平均車齢(令和7年3月末現在)
- 自動車検査登録情報協会(AIRIA)平均使用年数(令和7年3月末現在)
- 経済産業省「蓄電池産業戦略の推進に向けて」(2026年3月5日・資料3)
- Geotab EVバッテリー劣化調査(2026年1月13日公表・英語)
- グーネット自動車流通 中古車輸出台数(JUMVEA集計・2026年1月分の報道)
免責事項
本レポートの数値・指標は、記載の一次情報、公的統計、業界団体資料等に基づく参考情報であり、最終的な価格、相場、市場動向を保証するものではありません。中古車登録台数は登録ベースの指標であり、小売販売台数ではありません。参考査定価格、推定走行距離、残価等を掲載する場合、それらは参考値です。為替・輸出需要の影響は車種、年式、仕向地、物流条件等によって異なります。
市場変化を車両価値データで確認する
国内流通、輸出需要、オークション流動性、平均車齢の変化は、同じ年式・車種でも車両ごとの価値差を広げます。法人取引では、車台番号/VIN、グレード、走行距離、参考相場、輸出適性、残価などをデータで確認することが重要になります。
無料・月1〜2回
瞬カー|Vehicle Data Professional Insights
中古車査定、VIN・車台番号、車両相場、買取・在庫管理、海外車両データなど、車両ビジネスの実務に役立つ情報をお届けします。
- ご登録後に確認メールをお送りします。メール内のボタンを押していただいた時点で配信を開始します。
- 配信はいつでも、メール下部のリンクから停止できます。
登録フォームは Zoho Campaigns(ゾーホージャパン株式会社)が提供しています。取得した情報は個人情報保護方針に沿って取り扱います。