海外の車検制度を比較|アメリカに車検はない?ドイツ・イギリス・フランスと日本の違い

日本の車検(新車3年・以後2年ごと)のような全国共通の定期検査は、ドイツ・イギリス・フランスなど欧州の多くの国にもあります。一方、アメリカには全国共通の車検はなく、検査の有無と内容は州ごとに決まります。
「海外に車検はあるのか」「アメリカは車検がないって本当?」「ドイツの車検はなぜ厳しいと言われるのか」。この記事では、日本・アメリカ・ドイツ・イギリス・フランスの定期検査の仕組みを比べ、中古車の売買や輸出入で何に気をつけるべきかを整理します。制度は改正されることがあるため、実務では各国・各州の公式情報を必ず確認してください。
主要国の車検制度の比較表
| 国・地域 | 初回の検査 | 2回目以降 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 新車から3年(自家用乗用車) | 2年ごと | 全国共通。事業用の車や貨物車は有効期間が1年など短い |
| アメリカ | 州ごとに異なる(定期の安全検査がない州も多い) | 安全検査・排ガス検査の有無が州で違う | |
| ドイツ | 新車から36か月 | 24か月ごと | HU(通称TÜV)。合格するとナンバーに次回期限のステッカー |
| イギリス | 登録から3年 | 毎年 | MOTテスト |
| フランス | 登録から4年以内 | 2年ごと | contrôle technique(コントロール・テクニック) |
| EUの最低基準 | 登録から4年 | 2年ごと | 各国はこれより厳しく定められる |
出典:ドイツはADAC、イギリスは英国政府(2024年1月)、フランスはトヨタ・フランスの解説、EUの最低基準は欧州交通安全評議会(ETSC)の資料による。
日本の車検
日本では、自家用乗用車は新車登録から3年後に初回、その後は2年ごとに車検を受けます。全国共通の基準で検査され、車検証の有効期間が切れた車は公道を走れません。車検証の見方は「車検証の見方」で解説しています。定期的に検査と整備を受けるため、点検の記録が残りやすいことが、日本の中古車が海外で評価される理由の一つになっています。
アメリカに車検はある?ないのは本当?
アメリカには日本の車検にあたる全国共通の制度はありません。点検の有無や内容は州ごとに決まり、大きく次の3つに分かれます。
- 安全検査と排ガス検査の両方がある州:たとえばニューヨーク州は、12か月ごとと所有者が替わったときに安全検査を求め、多くの車で車載診断装置(OBDⅡ)による排ガスの確認も行います(ニューヨーク州DMV)。
- 排ガス検査だけの州・地域:カリフォルニア州は、登録の更新時に排ガス検査(スモッグチェック)を求め、新しい車は8モデルイヤーまで免除されます(CBSの報道)。テキサス州は2025年1月1日に乗用車の安全検査を廃止し、排ガス検査は一部の地域で続けています。
- 定期の検査がない州:フロリダ州やミシガン州など、安全検査も排ガス検査も求めない州もあります(SlashGearのまとめ)。
検査の代わりに、売買の前にVINで車両履歴レポートを取り、事故・冠水・全損の記録を確認するのが一般的です(「CARFAXとは」)。
ドイツの車検(HU・TÜV)はなぜ厳しいと言われる?
ドイツの定期検査はHU(Hauptuntersuchung、主検査)と呼ばれ、新車から36か月後、その後は24か月ごとに受けます。昔はTÜVだけが検査を行っていたため、今でも「TÜV」と呼ばれますが、DEKRA、GTÜ、KÜSなどの公認機関も検査できます。排ガス検査(AU)は2010年からHUに含まれています。
厳しいと言われるのは、期限と運用がはっきりしているためです。合格すると後ろのナンバープレートに次回の期限(年・月)を示すステッカーが貼られ、期限を2か月以上過ぎると追加の検査が必要になり、手数料も上がります。中古車の売買では、HUの残り期間が価格と売れやすさに直結します。
イギリス・フランス・EUの車検
イギリスのMOTテストは、登録から3年で初回、その後は毎年です。英国政府は2024年1月、初回を4年に延ばす案を見送り、3年を維持すると発表しました。フランスのコントロール・テクニックは、登録から4年以内に初回、その後は2年ごとです。EUの指令は乗用車について「登録から4年、その後2年ごと」を最低基準とし、各国はこれより厳しく定めることができます。
中古車の売買・輸出入で気をつけること
- 検査の残り期間を確認する:日本の車検、ドイツのHUは、残り期間が価格と売れやすさに影響します。
- アメリカは州の要件を確認する:登録する州で、安全検査・排ガス検査・VINの確認が必要かどうかを当局で確かめます。
- 検査記録と走行距離を照らし合わせる:検査の記録は走行距離の確認にも使えます。記録と実車の表示が合っているかを確認します。
- 輸出前の手続き:日本から輸出する車は、輸出抹消仮登録などの手続きが必要です(「輸出抹消仮登録とは」)。
国ごとの中古車市場の違い(取引規模・走行距離・車両履歴・VIN)は「日本・アメリカ・ドイツの中古車市場の違い」で比較しています。瞬カーは、車台番号またはVINから車両情報・グレード・参考査定価格などを返す法人向けの車両価値データプラットフォームで、輸出前の車両特定と参考価格の確認に使えます。参考査定価格は参考値で、最終判断には実車確認などが必要です(輸出業者向けソリューション)。
よくある質問
アメリカに車検はありますか?
ドイツの車検はどのくらいの頻度ですか?
イギリスやフランスの車検は?
EUに共通の車検のルールはありますか?
日本の車検は海外と比べて厳しいのですか?
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